boxingmaniaayalaのブログ

ボクシングマニア・悪童アヤラのページ

下の参照がわかる方にお勧め。

The G-man from Freeport Ilinois USA

Kronk Gold G.M 31W29KO3L His last fight at London in England/1995 He was 27.

速戦即決の「初回KO」男、G-man、We won't forget you☆忘れないぞ!!

世界の広さ・ボクシングのすばらしさ・厳しさ=「エスパーニャ(30連勝(25KO)対クォーティー(25連勝(21KO)」

安定王者エスパーニャ・戦慄のノックアウト負け・驚いた結果:
壮烈戴冠テーラーを8回見事にKO:
ー正直、エスパーニャは今でもよく見返す大好きな選手だ。チャンピオンのテーラーは本来J・ウェルター級の選手(五輪ではフェザー級)。ウエルター級が精一杯(あの手強いデービスに勝ち、ブラウン相手にも堂々渡り合って防衛しただけでもたいしたもの)。
ーややムリをし過ぎて疲れ気味だったテーラー(3階級を目差す。相手は全盛期のノリス。体格・パワー・切れ味ことごとく及ばず4回ストップで完敗)はもうひとつ元気がなかった。
ーそれ以上に挑戦者に驚いてしまった。ベネズエラ出身の背の高い手足が異常に長い、エスパーニャ。ゴングが鳴る。まずはその「距離」。リーチはともあれ、伸びとバネ。ちょうど考える倍くらいを想定してもまだ遠いくらい。そんなところか突き刺すような速さ抜群のジャブやストレートがどんどん飛んでくる。さらに同じ距離からムチがしなうように鋭いアッパーやフックが続き。またまっすぐの連発。テーラーは体格負けとパワー不足。
ースピードで対抗しようとするがついていけない。右がチョップ気味になる以外、欠点はどこにも見当たらない。安定した一定のリズムで、どちらかといえば「玄人受け」するボクシングであろう。派手さはないが、難攻不落の形容がそのまま当てはまるようなスタイルといえる。着実に手を出し、また正確であった。
ー不釣合いなくらい上半身が発達している。肺活量がそのまま分厚い胸全体にわきでているようなまさに「コブラ」のよう。普通に構えると目線まで上げたガードの下。肘がトランクスを上まで届いて隠してしまう。つまり「打ち込む」隙がまるでない。おまけに上体を小刻みに振り、頭を少しづつ動かすのも忘れず。どうみても「負ける」とは考えられなかった。
ーそんなことを考えているうちにどんどん手数が増えてきてワンツーから左右アッパーをボディからフックまでかえす。そんなパターンがだんだん頻度を増すばかり。テーラーのパンチは速いけどまったく利かない(当たらない)。4回に最初のダウンを奪われ、8回にまたピンチ。右ストレートから左アッパーのコンビネーション。アッパーがまるで顎を天井に突き上げるような角度と破壊力で命中(「早見選手」の’左アッパー’現実版みたいなもの。日本人ではとても打てない)。ガクガクっと前のめりに倒れたテーラーはすぐストップ。新チャンピン誕生。「この選手は強いな」。そう思った。テーラーがかわいそうなくらいの完敗である。
初防衛戦:アギラル戦・12回判定防衛:
ーサウスポーに対しての手本のような戦いぶりで実に見事な勝ちっぷり。ただ根拠地はアイルランドそしてイギリスである。アメリカのファンにはやや物足りない安全運転にみえたかもしれない。左まわりを堅持し特に左ジャブ、フックを有効に使ってから右へと繋ぐ。アギラル対策とすればこれ以上のものはない。教科書に紹介したいような展開だった。穴も隙も12R通して一瞬たりともなかったようにみえる。
ー派手さはないにせよ(実際アギラルは二階級下の頃、チャべスに惨敗した記憶があったからよくがんばったと思う)着実。ムリはしない。倒そうと意気込めば倒せそうだが、「玄人」には楽しめ満喫できる高度に洗礼されたスタイルのボクシングだ。アギラルも一生懸命何とか突破口をみだそうとしてもどうにもなかなかった。大差の判定勝利で二度目の防衛に成功。
ーこの頃から浮上しはじめすでに本決まりだった一階級上の王者、テリー・ノリスとの対決を楽しみにいろいろ展開予想にかまけていたものだ。
二度目の防衛戦・我カナダ・トロント出身(笑)のジャマイカ人ブーシェ:
ー元ロス五輪銀の白人ホープオサリバンのスパーリングパートナーだった。すでに落ち目だったとはいえ2回、強烈に2度ぶっ倒した豪快さには痺れてしまった。ラドック、古くはグライド・グレイ(元ウエルター級の世界ランカー、ナポレスやクエバスに挑戦。ハーンズにもKOされたがいぶし銀の古強者だった)もみんなここトロントが地元。レノックス・ルイスも一時期、ここからそう遠くないオンタリオ州の地方都市に住んでおり。ソウル五輪はカナダ代表だった(決勝でボウをストップ・金メダル)。
ーブーシェは勇敢でパワーもある選手。それでもエスパーニャが相手では何もできなかった。ブロックがしっかりしている上、あの距離の長さ。加えて頭を小刻みに振ることを忘れない一定のリズムでパンチを出し続ける。ボディーブローも実に有効。4回、7回とダウンを奪われ、ワンサイドの10回TKO負け。
ー次の対戦者、ガーナのアイク・クォーティーについて何も知らなかったからといえる。25連勝(21KO)無敗。しかし判定勝負が3試合続いていたし、もともとは一階級下J・ウェルター級の選手。おまけにフランスを本拠地にしていたのでソウル五輪のこともふくめ見たこともなかった。
ーもう頭はノリス戦。また勝ったらトリニダードはおろか、ミドル級に上がってジャクソンとも十分組み合えるな。そんな期待で頭はいっぱいだった。しかし・・・世界は本当に広い。だからこそボクシングの魅力と興味はつきない。
歴史に残る名勝負・技術と豪打の総決算・クォーティーの強さと頑丈さに感服:
ー身長さが頭ひとつも違う。ゴングが鳴ると、エスパーニャーは絶好調。鋭く長い左ストレートを次々突き刺し、右に繋ぐ。普段より全然手数も多く、数段速いしどんどん積極的にパンチを出していた。
ーでもクォーティーはがっちりとガードがし、全部弾き返して、時折的確で強い左ジャブを繰り出す。エスパーニャの方が全然押し気味にみえながらもじりじりと圧力が強まってるような展開は息もつまるような緊迫感。普段の選手より距離の差を感じなかった。クォーティーの鉄壁ブロックによる圧力と微妙な間合いの詰め。ものをいっていたよう。まさに一級品同志の最高頂点。虚虚実実の駆け引き。クォーティーが左ジャブの突きあいからだんだん右フックアッパーそして右ストレートなどもまじえてプレッシャーが増してくる。
ーエスパーニャは鉄壁ブロックの上だろうが空いているところだろうがとにかくどんなパンチもコンビネーションで強弱をつけ、手数は終始倍以上出していた。徐々に有効打はクォーティーの方が勝ってきており、一発パンチの破壊力もクォーティーの方が重そうにみえる(しかもスピード切れとも申し分なく。またバランスもいい)。
ーやや劣勢になってきたエスパーニャーは本当に強弱をよくつけ可能な限り応戦していた。7回終了間際、左フックのダブルトリプルがクォーティーの固いガードを横から打ち抜くように顎を痛打。利いていた。クリンチしようと密着してきた瞬間右アッパーも突き上げ命中。顎がガツンと跳ね上がる。体もガダガタっと崩れそう。ここでゴング。
ーそして迎えた10回。衝撃の結末を迎える。ロープに詰めクォーティーは右ストレートを顎に叩き込みガクンと棒立ちになったところ。すかさず左右のアッパーから猛連打でカウント。再開後、左右のコンビネーション爆発。最後に右フックが二発的中し大きなエスパーニャは間隔をおいて前にドーンっと吹っ飛ばされるよううつぶせに沈んだ。ダメージは深くテンカウント。
ー信じられなかった。しかしこんな強い選手がいたんだな。あらためて感心して以降、すっかり贔屓になってしまった若きバズーカ砲炸裂の戦慄のノックアウト戴冠となる。
次回へ:
ーこのときのウェルター級。ノリスも入れて全部みんな一戦づつみてみたい選手ばかりだった。トリニダード対エスパーニャ、クォーティー。またはウィティカー対ノリス、そしてその二人などなど。
ー結果としてデラホーヤVSクォーティーしか実現せず。白熱の名勝負としてはその一戦だけ。デラホーヤはトリニダード戦は逃げ切りに徹してしまったし、ウィティカがトリニダードに挑戦したときはブランクもあり峠は越していた。
次回からバズーカ・クォーティーに注目しましょう!
PS:古い「J・ミドル」「J・ライト」という表記にしました。新しいのはゴチャゴチャ階級も増えいまだに把握できないので。あと、写真はもうひとつ、クロンク同僚感動の場面。ムガビ(不幸なサミングになってしまった負けだったとはいえ)を番狂わせで破った同僚トーマスを祝福する全王者ハーンズ(ハーンズが返上したタイトルを二人が争った)。
お疲れさまでした☆アヤラ